【事業承継】後継者が子の場合と第三者である場合の税務上の相違点

池袋の税理士・公認会計士の伊勢です。ご覧いただきありがとうございます。

事業承継の場面で贈与や相続によって株式等が移転される場合、後継者の属性によって、適用可能な税制上の措置等に違いが生じます。本稿では、後継者が子である場合と、親族外の第三者である場合とで生じる税務上の相違点についてご紹介します。

贈与による承継における税率の相違

贈与税は、受贈者との続柄に応じて税率が異なります。子が後継者である場合、「直系卑属」に対する贈与であることから「特例贈与財産」に区分されるため、税率区分が優遇されています(措置法70条の2の5)。一方、第三者に対する贈与は「一般贈与財産」として扱われ、高い税率が適用されます(相続税法21条の7)。例えば、同じ1,000万円の贈与であっても、600万円超1,000万円以下の部分について、子に対する贈与であれば30%であるのに対し、第三者に対する贈与であれば40%と違いがあります。

※国税庁「税大講本 相続税法令和7年度版」より

相続時精算課税制度を利用できるかどうか

相続時精算課税制度は、基本的に60歳以上の者から18歳以上の推定相続人(子など)に対する贈与について適用される制度であり、それ以外の場合には適用が認められていません(相続税法21条の9)。つまり、後継者が子である場合には、2,500万円までの贈与が非課税となる同制度を利用できますが、第三者が後継者の場合にはこの制度を利用することができません。

相続税の2割加算の対象となるかどうか

相続や遺贈により株式等を承継する場合、相続人等が「被相続人の一親等の血族及び配偶者」以外の者であるときは、相続税の2割加算の対象となります(相続税法18条)。したがって、後継者が子である場合は加算されませんが、第三者が後継者として遺贈等により承継する場合には2割加算の対象となります。

終わりに

税制や税率の違いが、誰を後継者にするかの判断に影響することはまずないと思います。ただ、予めどのような手段があり、どのような税負担が生じるのかを把握しておくことは、スムーズな事業承継のために重要なことと考えます。

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